ドウは、主に竹や木などの素材を使って組み編みしたカゴの一種で、魚やカニ・エビなどをとるための道具です。川や湖・沼、比較的浅い海などに仕掛けて一定の時間定置し、獲物が中に入るのを待ちます。その口には「アギ」「コシタ」などとよばれる「カエシ」がついていることが多く、一度中に入った魚が出られないような工夫がされています。ドウは水中にある間は生簀のような働きをするので、獲物を取り出すときはドウ自体を水中から引き上げることで、獲物を生け捕りにすることができます。狙う獲物や仕掛ける場所によって、様々な形や大きさのものがあります。
福島県内ではドウという呼び名が多く使われますが、全国的には「筌(うけ)」という名で呼ばれます。『古事記』にも「筌を作りて魚を取る人あり」という記述があるほか、弥生時代の遺跡からも似たような道具が出土しており、古くからある道具であることがわかります。
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